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故四国さんが描いた広島 市民有志が小品展

 峠三吉「原爆詩集」の表紙を手掛けるなど、被爆地から反戦平和の思いを発信し続けた画家四国五郎さん(昨年3月に89歳で死去)。遺志を継ごうと市民有志が企画した小品展「わが街ひろしま」が12日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザで始まった。4月に開く追悼・回顧展のプレ展示。23日まで。

 古里の風景や庶民の暮らしを描いたシリーズでも知られる四国さんが1985年に出版した「ひろしまのスケッチ」の原画を軸に、60~80年代に描かれた水彩画や自筆原稿など計約40点を紹介。大半は四国さんの死後、自宅で見つかった。被爆後バラックが並ぶ相生通りや原爆ドーム、平和記念公園の風景が、「平和都市の今」を問い掛けてくる。

 大学職員中薗久恵さん(44)=東区=は「繊細で優しいのに間近で見ると筆致から力強さが伝わる」と見入っていた。四国さんの長男光さん(58)=大阪市=も会場を訪れ「広島への思いが深かった父が作品に込めたメッセージを感じてもらえたら」と語った。

 四国さんの自宅からは、戦前から60年以上にわたる日記も見つかっている。(森田裕美)

(2015年1月13日朝刊掲載)

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