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戦争体験 次世代へ証言 呉・三条ゆかりの高齢者「語り部の会」

 広島県呉市三条地区にゆかりのある高齢者の体験を次世代に伝える「語り部の会」が30日、地元の両城小であった。講師は、2年前まで同地区に住んでいた元両城中の英語教諭高月澄男さん(89)。教え子や同小の児童を含む約30人が図書室で聞き入った。

 高月さんは熊本市の語学専門学校を経て23歳で両城中に赴任、通算20年間勤務した。昭和20、30年代を振り返り、「素直で情に厚い子たちばかりで、とても好きな学校だった」と目を細めた。

 三条通り商店街の様子にも触れ「循環バスが通っていた。夜店が出るなどにぎわっていた」と懐かしんだ。

 専門学校生時代、旧陸軍に徴兵された経験も紹介。「敵国語の英語を習っているなどと口に出せる雰囲気ではなかった」と重苦しかった時代を語った。

 大学1年佐伯航一郎さん(19)は「生々しい体験を聞く貴重な機会だった。戦争の話は自分たちが語り継いでいく」と誓っていた。

 語り部の会は住民組織の三条地区まちづくり委員会の主催で、毎年学校の夏休み期間に開いている。(小島正和)

(2014年8月31日朝刊掲載)

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