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原爆症集団訴訟 終結へ 首相と被団協 確認書に署名

■記者 滝川裕樹

 麻生太郎首相は6日の平和記念式典に参列後、広島市中区のホテルで、原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針の確認書を日本被団協と交わした。司法の場で敗訴を重ねた国が、高齢化する被爆者の訴えをようやく受け入れた。

 確認書は(1)一審判決を尊重し、一審勝訴原告には控訴せず、判決を確定(2)係争中の原告については一審判決を待つ(3)議員立法で基金を設け、原告の問題解決に活用する(4)厚生労働相と被団協、原告・弁護団は定期協議の場を設ける(5)原告団は集団訴訟を終結させる―との内容。

 創設する基金で敗訴原告に解決金を支払う方向で、これで306人の原告全員が救済されることになる。

 確認書の署名式には政府側から麻生首相と舛添要一厚労相、原告側から、訴訟を支援する日本被団協の坪井直代表委員(広島県被団協理事長)と田中熙巳(てるみ)事務局長が出席。署名後、麻生首相と握手した坪井代表委員は「ご決断ありがとうございました」と述べた。

 麻生首相は続いて「被爆者代表から要望を聞く会」に出席。「原告の高齢化や長きにわたり裁判にかかわられたことを考慮し、早期救済を決断した」と強調。「核廃絶のため努力を進めていきたい」との姿勢も示した。同席した舛添厚労相は確認書について「今後は訴訟で争うのではなく、新たに設ける協議の場で解決していく」と説明した。

 広島県被団協の坪井理事長はオバマ米大統領の広島、長崎訪日への支援を要請。もう一つの広島県被団協の金子一士理事長は非核三原則の堅持を求めた。

(2009年8月6日夕刊掲載)

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