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両親被爆体験 日本語に 米在住・美甘さん出版へ 構成担当者ら広島訪問

 米国サンディエゴに住む被爆2世の美甘(みかも)章子さん=広島市東区出身=が英語で出版した両親の被爆体験記「Rising from the Ashes(不死鳥のごとく~ヒロシマで生き抜いて許すこころ)」が、6月にも日本語で出版される。構成を手掛ける担当者たちが広島を訪れ、父親の進示さん(88)=東区=と、被爆時の足跡などをたどった。(二井理江)

 構成担当の西田みゆきさん(51)=東京、俳優の谷尾宏之さん(34)=同=らが、進示さんが被爆した中区上幟町の自宅跡(爆心地から約1・2キロ)や、被爆後、一夜を明かした東照宮(東区)などを、進示さんの案内で訪れた。やけどとけがによる重傷の状態で運ばれ、地元の人に献身的な看護を受けた小屋浦小(広島県坂町)も訪問。進示さんが、感謝の意を込めて被爆60年の2005年に寄贈した本約900冊が並べてある同校の図書室にも足を運んだ。

 初めて広島を訪れた西田さんは「章子さんが和訳した原文だけでは感じきれなかった、進示さんの穏やかな人柄を文章からにじませたい」。日本語版の出版後に、音声で内容を伝える「オーディオブック」の朗読を担当する谷尾さんは「人を恨むことなく戦争が悪い、とする進示さんの思いが届けられれば」と話していた。

 「Rising…」は、原爆被害の大きさと、核兵器を含む大量破壊兵器を使わないようにとの思いを若者たちに伝えたいと考えた章子さんが執筆し、昨年自費出版した。204ページ。14・99ドル。日本からもインターネットで購入できる。

(2014年2月24日朝刊掲載)

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