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被服支廠 VR映像に 広島県調査士会 制度70年記念 今月末に完成

 広島県土地家屋調査士会(広島市東区)は1日、広島市内に残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で、仮想現実(VR)映像の制作を始めた。全国で取り組む調査士制度70年の記念事業の一環。10月末に完成させて県へ贈るほか、会のホームページ(HP)で公開する。

 調査士会のメンバーや専門業者の約30人が、レーザースキャナー6台と小型無人機ドローン1機を持ち込み、建物の色や質感を再現するための3次元データを集めた。県と国が所有する全4棟の外観や2号棟の内部について360度の写真撮影をしたり、計測したりした。2日も続ける。

 会は、残っている被爆建物が少ない中、被服支廠を後世に伝えようとVR映像化を決めた。松林勉会長(64)は「平和教育に役立てほしい」と話した。

 記念事業は全国各地の調査士会が進めている。北海道庁旧本庁舎(札幌市)や明治期の芝居小屋「八千代座」(熊本県山鹿市)などが対象となっている。(赤江裕紀)

(2020年10月2日朝刊掲載)

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